「塾の宿題、ちゃんとやっているのに、なかなか成績が上がらない」
そんなふうに感じている人に、聞きたいことがあります。
その宿題、どこまでやったら「終わり」にしていますか?
最後の問題まで解いたら終わり?
丸つけしたら終わり?
間違えたところに、赤ペンで正しい答えを書いたら終わり?
塾講師として長年、生徒たちを見てきて、「せっかく宿題をやっているのに、もったいない!」と感じることがあります。
それが、丸つけと、その後の取り組み方です。
同じ問題集を使っていても、取り組み方は変えられます。今日は、宿題をしっかり自分の力につなげる方法を話します。
そもそも、なぜ塾の宿題をやるの?
「授業を受けたのに、家でも勉強するの?」
そう思うこともあるでしょう。
でも、授業中に分かったことを、そのままずっと覚えていられますか? 先生の説明なしで、もう一度同じ問題を解けますか?
一度の授業だけで、すべてを完璧に身につけられる人は、めったにいません。授業では理解できていても、時間がたてば忘れるし、解き方があやふやになることもあります。
だから、繰り返す必要がある。それが宿題の大切な役割です。
先生たちは、ただ何となく問題を選んでいるわけではありません。
「今日の授業のポイントを定着させてほしい」
「次回の授業につながるから、ここを練習してほしい」
「これから先も使うので、しっかり押さえてほしい」
そう考えて、効率よく力をつけられると思う問題を宿題にしています。
宿題には、授業で分かったことを、自分でできることに変える意味があるんです。
君はどこまで?宿題のやり方・5段階
自分の普段のやり方が、どこに当てはまるか考えてみてください。
① 問題を解いても、丸つけをしない
これは、まず変えてほしいやり方です。
自分の答えが合っているのか、間違っているのか。その確認がなければ、何を直すべきかも分かりません。
せっかく解いたのに、そのままにしてしまうのは本当にもったいない。
問題を解いたら、必ず丸つけまで。 まずはここからです。
② 丸つけして終了。間違いはそのまま
正解と不正解を確認できたのは、一歩前進です。
でも、×がついた問題をそのままにしていたら、次に同じ問題が出ても困ってしまいます。
丸つけは、宿題のゴールではありません。自分が何を身につける必要があるのか、見つけるための作業です。
③ 解答・解説を見て、正しい答えを写す
間違いを放置せず、正しい答えを確認するところまで進みました。
ただ、赤ペンできれいに答えを書いても、それだけで解けるようになったとは限りません。
「正しい答えがノートに書いてある」と「自分で正しい答えを出せる」は、別のことです。
写した答えを眺めて「なるほど」で終わらず、次の段階まで進んでほしいんです。
④ 解説を見て直し、時間をおいて自力で解けるか確認する
ここが、とても大切です。
間違えた問題は、解説を読んで、どこで間違えたのか、どう考えればよかったのかを確認します。解説を読んでも分からないところは、先生に質問してください。
そして、少し時間をおいてから、答えも解説も見ずに、もう一度解いてみる。
解説を見た直後は解けても、後でも自力で解けるとは限りません。
解けなければ、もう一度確認すればいい。大切なのは、「分かったつもり」のまま終わらせないことです。
宿題では、ここまでを目指しましょう。
⑤ さらに、問題集に日付と正誤を記録する
もう一歩進めるなら、取り組んだ日付と、その問題に正解したかどうかを、問題集に直接残してください。
解き直したときも、前の記録を消さずに書き足します。
すると、同じ「今日、正解した問題」でも、その中身が見えてきます。
- 初めから繰り返し正解している問題
- 最初は間違えたけれど、その後は正解できている問題
- 正解したり、間違えたりしている問題
テスト前に特に確認したいのは、どの問題でしょう?
記録があれば、「どれをもう一度やろう?」と迷う時間を減らせます。
問題集を、自分専用の一冊にしよう
日付や正誤の記録は、先生に「やりました」と見せるためだけのものではありません。
自分の苦手と、できるようになったことを、自分で分かるようにするためのものです。
余裕があれば、解くのにかかった時間も記録してみてください。
以前は時間がかかっていた問題を、スラスラ解けるようになっている。前は×だった問題に、続けて○がつくようになっている。
そんな変化が見えると、自分の成長を実感できます。
問題集は、一度解いて終わりにするにはもったいない教材です。繰り返し取り組んだ記録を残して、自分が次に何を勉強すればいいか分かる一冊に育てていきましょう。
記録のつけ方や、テスト前に解き直す問題の選び方は、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
「そこまでやる時間がない!」という君へ
ここまで読んで、そう思った人もいるでしょう。
やりたいことがあるのは、当然です。でも、やるべきこともたくさんある。
これは、子どもだけの話ではありません。大人も同じ。みんなのお父さんやお母さんにも、やりたいことと、やるべきことがあります。
その中で時間をどう使うかは、少しずつ上手になっていくものです。
ただ、やりたいことを全部先にして、宿題を最後に回すと、解き直しまで取り組む時間がなくなってしまいます。
みんなにとって、宿題は、やるべきことの中でも優先順位が高いものの一つです。だから、後回しにしすぎない工夫をしてみましょう。
全部じゃなくていい。まず一部をやってみる
「宿題を全部やらなきゃ」と考えると、なかなか始められないこともあります。
そんなときは、まず一部でいいんです。
「この問題だけ」
「ここまで丸つけする」
「間違えた一問だけ、解き直す」
始めてみると、意外と集中して、そのまま続けられることもあります。
最初から全部やり切ろうと気負わず、まず手をつけてみてください。
毎日の習慣とセットにする
もう一つは、すでに習慣になっていることと結びつける方法です。
例えば、こんなふうに決めてみます。
- お風呂に入る前に、決めたところまで問題を解く。
- お風呂から上がったら、先ほど間違えた問題を解き直す。
- 夕飯の後は、宿題に取りかかる。
全部を取り入れる必要はありません。自分の生活に合うものを一つ決めてみましょう。
「時間が余ったらやる」よりも、「これをしたら宿題をする」と決めておく。その方が、取りかかるきっかけをつくれます。
やり方は変えられる。あとは、続けてみよう
私はこれまで、宿題への取り組み方を変えて、成績や勉強する姿勢が変わった生徒をたくさん見てきました。
その中には、最初から具体的なやり方を教わっていなかった生徒もいます。
「ちゃんとやりなさい」と言われても、何をどうすればいいのか分からない。でも、やり方が分かれば、変えようとしてくれるんです。
だから、今まで丸つけだけで終わっていたとしても、今日から変えていけば大丈夫。
まずは、今日の宿題で間違えた一問を、時間をおいて自力で解き直してみてください。そして、日付と正誤を残してみましょう。
もちろん、結果が表れるまでの時間は、単元や内容、人によって違います。一度やっただけで、すぐにテストの点数が跳ね上がるとは限りません。
それでも、昨日は解けなかった問題を、今日は自力で解けた。その一問は、できるようになった一問です。
このやり方を信じて、やり続けてほしい。続ければ、成績は上げていける。私はそう信じて指導しています。
宿題を「終わらせた」で止めず、「自分でできた」まで。
今日の宿題から、始めてみよう。

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